国際的な学術誌の中でも最も権威ある一つ、 Nature に、永井の取り組みが紹介されました!
掲載されたのは、キャリア特集記事“Don’t talk science, play science: translate your data into music to improve its reach”(「科学を語るのではなく、演奏しよう ― データを音楽に変えて科学を届ける」)です。この記事では、科学データを音や音楽に変えるという新しい方法によって、研究者同士がつながり合えること、科学をより多くの人にわかりやすく伝えられることなど、世界各地で広がりつつあるユニークな取り組みが紹介されています。
その中で永井の活動は、地球の気候システムという、とても大きくて難しく感じられるテーマを、音楽によって「感じられる体験」に変える試みとして取り上げられました。
グラフや数字だけでは伝わりにくい気候の変化を、音楽という形にすることで、誰もが直感的に受け取れる科学に変える――その挑戦が、Natureの記事として世界に紹介されたことは、大きな喜びです。

インタビュー記事の要点
- 南極・北極の衛星データや気象データを、音の高さや音階に変えるオリジナルのプログラムを開発(約3か月)
- そのデータから、弦楽四重奏曲 『Polar Energy Budget』を作曲(約6分)
- 荒々しさ・やさしさ・温かさが行き交う、物語のある音楽として仕上げた
- 2023年3月、早稲田大学で初めて演奏
- 注釈付きの演奏動画を公開し、研究としても論文発表(iScience, 2024)
- 音楽は人の注意をぐっと引きつけ、科学の話に自然と興味を向けてもらえることを示した
記事の中では、永井の次の言葉も紹介されています。
音楽は強制的に注意を引きつけます。視覚データは自分から見に行かなければなりませんが、音楽はまず感情に届き、そこから科学の話につながっていきます。
この特集記事では、科学者がデータを音に変える取り組み(データ・ソニフィケーション)について、
- データの新しい見方を生み出す
- 視覚に頼らない理解を助ける
- 科学を社会に伝える力を広げる
- 研究者どうしのつながりを生む
- 科学に必要な「創造性」を見直す
といった効果を持つことが、さまざまな分野の事例とともに紹介されています。
永井の取り組みは、科学と音楽を組み合わせることで、研究・教育・社会への発信をつなぐ、新しい科学コミュニケーションの形として取り上げられました。
Palmer, J. Don’t talk science, play science: translate your data into music to improve its reach. Nature 650, 261-263 (2026) doi: https://doi.org/10.1038/d41586-026-00316-2